夜、小雨の銀座を走って会場に。かなり冷え込んだ室内で懸案の照明の設置。ハンダづけをしているところにO氏が顔を出してくれる。O氏は「制作」一般の経験知が豊かで、助言が的確だ。センサの調整は明日早朝に。
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多くの人がいうように、中世日本の経済社会は相当面白い。遅ればせながら僕もその面白さに気づくことができたのは、『日本中世の経済構造』(桜井英治1996年 岩波書店)のおかげだ。この本と、『私の意識とは何か』(郡司ペギオ‐幸夫2003年 哲学書房)、『神道の逆襲』(菅野覚明2001年 講談社)、『織豊期の茶会と政治』(竹本千鶴 2006 思文閣出版)とを同時に読めば、奇しきもの=兆候=反転可能性に満ちた、キラキラした中世社会を見たてることが可能になるはずだ。もちろん、今だって奇しきものに取り囲まれている。時間を超越して成立する契約なんて存在しないことは誰もが知っている。もし、奇しきものへの感受性が衰えているのだとするなら、見立てるという操作を自覚的にトレーニングする機会が少ないためだろう。