図鑑306 2

図鑑306 2
水澤汐音 黑多弘文
2025年8月3日(月)〜4日(火)
17:00〜20:00

水の移動と像の分散
面の拡張 溜まり場 
見えない管が張り巡らされていく

「物」と言われる全ての存在には、視覚では捉えきれないエネルギーが毛細血管のように張り巡らされているように思う。
水澤汐音

指折り数を数える
指立て数を数える

数えるとは何か。ものを指して、「1,2,3、4」と言うことだろうか。しかし、私は数を言う必要はない。私は指差して、「メリー、さん、の、羊」と言うこともできる 『ウィトゲンシュタインの講義 数学基礎篇』

ねえあの人まだいるよ
え気づかなかったなあ
わたしたちが来た時からあそこに
なんだ気になってたのか
だってコート着て
そうだなオレたちと同じ格好だな
カノジョを想っている
親しい人をか
心ここにあらずって感じだな
どこか遠くを見てる
なんか絵を観ているみたい
いや波の数を数えているんだよ
結局何もしてないんだ
ただいるだけか
そうね わたしたちみたいに
実はあの人もわたしたちもいないのです
波が全てもっていきました
あの人たちの声と波だけが
くりかえしくりかえす
それらは数ではないのです