歌集『わが網膜を軍馬は奔る』の原画展のような、もの。

歌集『わが網膜を軍馬は奔る』の原画展のような、もの。

歌集の画を担当した林みちよ(陶芸家)の原画を、
須田芳子さんの美容室の雰囲気のなかで、ご覧ください。

剥落のすすむ壁にのこる、丸いうるんだような鏡。
ひび割れた窓硝子のよごれ。
木製の棚や硝子戸の桟にくぐもる滲み。

林みちよが描くおんなの裸身とおとこの骨格。
咲きさかる菊芋の黄、黄、黄、そして黒い雲。
戦争のさなかの北海道・北見で、
夫の獣医が満州へ出征したあと、私の伯母は自死しました。
会ったことのない伯母です。
伯母はたぶん須田芳子さんと同じくらいの歳だったでしょう。
私が生まれる前に青酸カリで死んでしまった伯母を、
林みちよが絵にしてくれました。

日時 2015年9月10日(木)から16日(水)
11時から18時
場所 東京都中央区銀座1-9-8
奥野ビル 306号室
会費 無料です。

美濃 和哥

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