黑多弘文
「study 90」
2023年11月20日(月)〜22日(水)
15:00〜19:00
植物柄の壁紙は茶色に日焼けしてぱらりぱらりちぎれ枯葉のように落ちました。かろうじて糊が頑張っている壁紙の一部は、人の動きや窓からの風でひらりひらりと揺れています。まだまだと手を繋いでいても月日が流れて何かの拍子にするりとすべるように離れてしまうのでしょうか。
おしろい花。どこからか落下傘の種が窓辺の植木鉢に舞い降りました。真夏の陽を浴びて建物から外へ外へと緑の茎は太くなり葉を広げ元気よくバンザイをしていました。日が短くなり日が射す傾きが小さくなっていくにつれておしろい花もお辞儀をするようになりました。
そうそう壁に近づいてごわごわした壁紙をじっくり見てごらんなさい。何十年も太陽の光を受けとって黒くなった紙のつぶつぶは、草花の種のよう。
