「G・リヒター @ GINZA APARTMENTS」

亜 銀座・コンセプト展:「G・リヒター @ GINZA APARTMENTS」

2024年3月20日(水)〜24日(日)
20日、23日、24日:11:00〜19:00
21日、22日:16:00〜19:00

A Ginza Concept Exhibition。亜 銀座・コンセプト展。 
東京湾。銀座の川。 
1930年、社会建築的に革命的な「銀座アパートメント」の建設工事中に、縄文土器が「発見されたらしい」(想像)。事実的に、千代田区が三菱地所レジデンスの同意を得て2023年2月に元英国大使館跡地を試掘したところ、縄文時代や弥生時代の遺跡があることが判明。 
銀座の住まいと暮らし:日本の西洋式モダニズムの中心地でモボ・モガの銀ブラ。 
「銀座アパートメント」(現在の奥野ビル)は1932年と1934年に建設され、各部屋は約3.5坪のワンルームだった。エレベーターがデパートや銀行など一部の建物にしかなかった当時、このアパートメントは日本で初めてエレベーターが設置された個人経営の集合住宅であり、電話線も各部屋に引いていた。高級レジデンスとして誕生した当時は、建物前の三十間堀川沿いに柳並木があり、夕暮れ時になると住民たちが建物前にベンチを置き、談笑しながら夕涼みを楽しんでいた。 
ある場所を撮影したり描いたりすることは、その場所にちょっと滞在したり、或いは数時間滞在したり、ただ眺めたりしただけの場合とは違う関係性が生まれるのだろうか? 
絵の中にその場所の何が残るのだろうか? 
画家は、その場所を正当に評価し、その場所ならではの何かを与えるために構図を選ぶ。 
それは、歴史に彩られた場所への敬愛表明になる。「銀座」という場所への敬意は、そこに近づいた距離の中にこそ実現されるのだろう。 
銀座一丁目。ザ ・ギンザ・アパートメント・イクスピリエンスから「銀座奥野ビル306号室プロジェクト」へ、貴重な社会文化体験が待っている。幸いなことに、元美容室だった306号室は時が止まっている。最後の住人、須田ヨシさんのご厚意で、美味しいシュトーレンが「残された」。 
光と色彩の広がり、時代を反映した絵画を制作し、多くの芸術共通点を持つゲルハルト・リヒターを機に、ふさわしい作品を展示する。 
世の中を眺めて、現代のヒューマニズムへの質疑を行い、絵画の芸術的対象性、重力と持続時間に影響されやすい存在として、独自の視点を作り出した。 
この過程で、心は潜在意識や抽象的な思考に迷い込み、その肯定的な結果が絵画に吸収され、鑑賞者によって体験される。これらの油絵は、普遍的に理解される精神的な奥行きの感覚を生み出し、訪客者の心をとらえるだろう。時代の必然、「306号空間」を新次元へと導くことが暗示される。 
なお、when Gerhard Richter was young, he could even see the sea from our 306 window… 
銀座一丁目、2024年3月 
亜 真里男